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危機とグローバル化の歴史
―― グローバル化が復活する理由

ハロルド・ジェームズ プリンストン大学教授(歴史学)

Globalization’s Coming Golden Age
Why Crisis Ends in Connection

Harold James 経済史家で、プリンストン大学教授(歴史、国際関係論)。近く、The War of Words: A Glossary of Globalization を出版予定。フォーリン・アフェアーズでは、「アメリカ流市場経済モデルの崩壊?――何が金融危機を引き起こし、今後、どうするのか」(2009年1月号)などを発表している。

2021年5月号掲載論文

「大恐慌後、世界はブロック経済化し、ナショナリズム、権威主義、ゼロサム思考が台頭し、最終的には世界大戦が引き起こされた」。この流れはグローバル化からの逆コースの結末、憂鬱なエピソードとして示されることが多い。だが歴史は、多くの危機が、グローバル化を損なうのではなく、最終的には強化してきたことを教えている。近代における最初のグローバル化は、1840年代の社会的、金融的な大惨事への対応として始まっている。20世紀のグローバル化潮流も、1970年代のオイルショックに派生する経済的混乱を経て起きている。歴史的な断裂が生じても、それは、新たにグローバルなリンクを作り出し、それを増幅していく。COVID19も例外ではない。パンデミック後にグローバル化は勢いよく復活するだろう。

  • 断切と再生
  • 最初のグローバル化
  • システムに対する衝撃
  • インフレと国際協調
  • パンデミックにいかに対応したか
  • 国際協調

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